2019/08/27
FX初心者が知らないと恐ろしいことになるスワップ運用4つのリスク
FXで高金利通貨を保有すると定期的にスワップポイントが付与されます。
たとえば、豪ドル/円(AUD/JPY)通貨ペアを10万通貨買うと、約510円/日のスワップポイントがもらえます。(みんなのFX参照。2019年4月のデータ)
では1年保有すると、
- 510円×365日=18万6150円
これだけのスワップ受取見込みです。
しかし、ここに落とし穴が。
この18万円オーバーのスワップポイントは見込み額に過ぎません。必ずもらえると確約されたものではないのです。
言い換えると、スワップ運用にはリスクがあります。見込んだだけのスワップを受取れないリスクが存在するのです。
それを知らずに、または見て見ぬふりして運用すると痛い目にあうかもしれません。
先日のツイートでも同様の点をつぶやいたところ、各方面から反響がありました。
とても大事な視点ですね❣️
特に,裁量トレードに見切りをつけたFX初心者がハマる落とし穴です。
スワップなら安心❣️と言う甘い考えが含み損の底なし沼へと引きずりこまれる…。結論。スワップをうたい文句に客引きする証券会社は詐欺師と同じ!— 高金利通貨lab(通称コラボ)現在🐨🆚🥝ループイフダン参戦中 (@kokinri) 2019年4月7日
確かにこの通りですね。
🇹🇷トルコリラの政策金利で例えると、
20円の時に、1枚購入。
→スワップは120円。
10円に下落、1枚そのままホールド。
→スワップは60円。
→しかも、為替差益が莫大にマイナス💧 https://t.co/ontXxPfwDK— リオン【サヤ取りシーソー】 (@rotrion) 2019年4月7日
ほんとこれ😅
金利低下の可能性を考える事ができれば、「スワップ生活ー🏖✨」なんて発想は出てこないと思うんですよね😓
なので、僕はそのようなことを考えてないし、おススメするつもりも毛頭ありませぬ❗️ https://t.co/ZB2G4sHVXK
— りょーへい@リトグリ好きの兼業投資家 (@ryohei_thailand) 2019年4月8日
うなづきすぎて首もげました。
めちゃくちゃ大事です。特にレートが変わるところまで考えられる人は少ないだろうしね。
自分のブログでもここら辺ちゃんと書かないとなと思いました。 https://t.co/HQqEi3navE
— お金マン@今すぐ始めるFX (@imasugufx) 2019年4月7日
前書きが長くなってしまいましたが、要はスワップ運用にはどんなリスクがあるのかを知ってから取引を始めるのが先決です。
この記事では、スワップ派が知っておくべき4つのリスクについてお伝えします。
【この記事の要点】
- スワップ運用のリスク1【政策金利】
- スワップ運用のリスク2【スワップポイント】
- スワップ運用のリスク3【為替レート】
- スワップ運用のリスク4【ロスカット】
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スワップ運用のリスク1【政策金利】
そもそもFXスワップポイントは各国の政策金利に基づいて計算されますので、保有通貨の政策金利が下がればスワップポイントも低下するのが一般的です。
これを金利リスクといいます。
スワップトレードをするなら、政策金利を常に意識しなければなりません。
政策金利にもとにどのようにスワップポイントを算出するかは、この計算式が基本となります。
- (為替レート×保有通貨量×金利差)÷365日=スワップポイント/日
たとえば、豪ドル/円(AUD/JPY)で計算してみます。
2019年4月現在、豪政策金利は1.50%、日本が0.10%ですので、金利差は1.40%です。
- 豪ドル円レート=約79円
- 保有通貨量=1万通貨
- 金利差=1.40%
これを計算式に当てはめてみると、
- (79円×1万×0.014)÷365=30.3円
これが豪ドル円のスワップポイント/日となります。
当然このスワップポイントは机上の計算に過ぎず、FX会社によって提供スワップポイント額は違ってきます。
では、今の豪政策金利1.50%が1.00%に下がったとしたら、スワップポイントはどの程度になるでしょうか? 上の計算式に当てはめて計算してみると、
- (79円×1万×0.009)÷365=19.47円
約3割スワップポイントが減ることになりますね。
つまり、政策金利が下がればスワップポイントも下がるのがセオリーです。
冒頭でお伝えしたように、現状では “豪ドル/円(AUD/JPY)通貨ペアを10万通貨買うと、約510円/日のスワップポイントがもらえる” わけですが、これはあくまでも見込みです。
今後のオーストラリアの景気や経済政策によって政策金利が下がるかもしれませんし、スワップポイントも少なくなるかもしれません。
今と同じ量のスワップポイントが受け取れる保証はどこにもないのです。
追記(2019年7月):オーストラリア利下げ
RBA(オーストラリア準備銀行)は政策金利を1.00%に設定しました。
恐れていたことが現実となってしまいましたね。
スワップ運用は政策金利が下がらないことを前提に計画しますが、金利下げとなればスワップ低下は必至。
豪ドルスワップ生活は継続可能ですが、受け取れるスワップポイントが少なくなることを考慮した上で計画しなければなりません。
スワップ運用のリスク2【スワップポイント】
上の金利リスクとほとんど同じ点ですが、スワップポイントは常に同じ量をもらえるわけではありません。政策金利に応じた変動制です。
今なら、
- トルコリラ円スワップ:120円/日
- 豪ドル円スワップ:51円/日
- メキシコペソ円スワップ:13円/日
(2019年4月8日のデータ。みんなのFX参照)
この量だけスワップがもらえますが、これは今日の分だけに過ぎず、明日、明後日、同じようにスワップがもらえる保証はどこにもないのです。
ですから、
【月10万円のスワップがあれば】
・トルコリラが1lot買える
・メキシコペソが2lot買える
・アフリカランドが2lot買える
・中国元が1lot買える複利効果で早期のセミリタイアが達成できる。 https://t.co/bx6dLNVmdQ
— ぎん@競馬×FX ギャンブルトレーダー (@HKi1I6OjIZMm4Ys) 2019年4月8日
↑期待値はありますが、残念ながら早期のセミリタイアができる保証はありません。
先日、急にメキシコペソ円スワップが15円⇒13円に低下したとき、ペソ円スワップを狙って投資していたので驚きを隠せませんでした。
2019年3月18日の時点で、みんなのFXのメキシコペソ円スワップは15円でした。
おはペソですd(^_^o)
ペソ円イマココ→5.804円
スワップ→15円(トレイダーズ証券、セントラル短資FX)お、ペソ円地味に上昇中!
よし、今週1週間も楽しく生きよう! pic.twitter.com/j5AVWjtGqA
— 堀 聖人@お金に働いてもらう人 (@HolyMasa55) 2019年3月18日
しかし、3月19日には、
どういうことペソですか!
ペソ円スワップ3倍なのに39円ということは1日13円しかついてないやん?あ、おはぎゃぁですσ(^_^;)
昨夜はペソ円上昇で利が乗ったのに、今朝は悪夢。まずは様子見ですね。
よし、今日も一日がんばろ
ᕦ(ò_óˇ)ᕤ pic.twitter.com/anuniAlF60— 堀 聖人@お金に働いてもらう人 (@HolyMasa55) 2019年3月18日
13円に下がってしまい、そのあとは4月9日現在も13円のままです。(セントラル短資FXは15円をキープ)
メキシコ政策金利は下がっていませんがスワップポイントは下がるという状況に、ほかのペソ保有者たちも残念がっていました。
これがスワップポイントリスクです。
スワップポイントリスクのパターンですが、
- 政策金利低下にともなうスワップポイント低下
- 短期金利市場の流動性低下にともなうスワップポイント低下
- FX会社の都合によるスワップポイント低下
この3つがあります。
いずれにしろ受け取れるスワップポイントが少なくなることがあるので、それを一つのリスクとして認識していなければなりません。
実際、過去10年において各国政策金利やスワップポイントは常に変動しています。
オーストラリアを一例として見てみると、
スワップポイントはヒロセ通商を参照しています。
ヒロセ通商は豪ドルスワップポイントを高く設定していることで有名ですが、それでも豪政策金利に応じてスワップポイントは年々変動しています。
つまり、受取れるスワップポイントが下がるリスクがあるわけです。
追記(2019年8月):豪ドルスワップポイントが半分以下に
この記事を書いた当初、豪ドル円スワップは51円(みんなのFX)と紹介し、スワップ低下リスクを警告しました。
そしてそれが現実となってしまいました。
2019年8月現在、豪ドル円スワップポイントは20円(みんなのFX)になっています。(ヒロセ通商もほぼ同額)
- 51円⇒20円
残念ながら半額以下になってしまいました。
上で “月10万円のスワップがあればセミリタイアが達成できる” と言っている方がいましたが、月4万円のスワップになってしまう計算です。
スワップ生活崩壊です…
この金利とスワップ量でもスワップ生活は可能ですが、周到な計画は必須です。
“複利効果でセミリタイア” はそんな簡単な話ではないんですよね。(アイキャッチ画像をご覧ください↑)
スワップ運用のリスク3【為替レート】
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スワップポイントを受取るためにはかならず外貨を保有することになりますが、保有通貨のレートが下がれば含み損が大きくなります。
これを為替リスク、または為替変動リスクといいます。
豪ドルのスワップ運用をシミュレーションしてみましょう。
【豪ドルのスワップ運用の一例】
- 豪ドル円レート:79円
- 保有量:10万通貨
- 必要証拠金:31万6000円(レバレッジ25倍)
- FX口座内資金:100万円
この条件でスワップトレードを始めたとします。
当初79円だった為替レートが75円になると、FX口座内資金はどの程度になるでしょうか?
為替レートが-1円で含み損が-10万円ですので、豪ドル円レート75円の時点で含み損は-40万円です。
冒頭でもふれましたが、1年間スワップポイントが変動せず、毎日510円/10万通貨受け取った場合、1年間で18万円ほどのスワップでした。
- 1年間スワップポイント:18万6150円
- 含み損:-40万円
- 差額:-21万3850円
為替レートがたった4円マイナスになるだけで、大赤字です。スワップ運用として成り立ちません。
実際、為替レートはこのように変動しているのが現実です。
2007年、豪ドル円は100円以上でしたが、2008年、史上最安値の約55円をマーク。しかし、5年後の2013年には105円台に。
この状況で豪ドル円を保有していたら・・・と考えるだけで怖くなりますよね。
投資金はあっという間に消失していたかもしれません。
これが為替。これが相場なのです。
投資歴がどんなに長くても大損することはあり得ます。
【超悲報😅豪ドル強制ロスカットで-897万円の実損💦】
朝起きたら豪ドルがとんでもないことに。。
口座に現金全額を入れてなかったので強制ロスカットになりました😅その額
_人人人人人人_
> -897万円 <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^ ̄とりあえず入金して50万通貨ほど買い直しました🐹
0から出直します😊 pic.twitter.com/THnljYD3Ub— ねく🐹資産4,476万円運用中🇦🇺4/19,20大阪で無料の投資セミナー開催 (@nekutaru) 2019年1月3日
投資歴10年以上の彼も2019年1月3日の「フラッシュクラッシュ」と呼ばれる為替大暴落で約900万円の損失を出しています…。
FXスワップ運用にはこの為替変動リスクがあることを忘れてはいけません。
スワップ運用のリスク4【ロスカット】
為替レートが下がり含み損が増えるとどうなるでしょうか?
ロスカットになるリスクがあります。
スワップ運用の4つ目のリスク、ロスカットリスクです。
「証拠金維持率〇〇%をきったら強制的にロスカット」という規定がどのFX会社にもあります。
↑○○%の数値がFX会社によって違いがありますが、原則はどの口座でも同じです。
つまり、FX口座内資金があまりにも少なくなる前に、FX会社があなたの保有外貨を強制的に決済してしまいますよ、という規定です。
FX各社のロスカット規定はこちらを参考にしてください↓
たとえば、ロスカット規定が証拠金維持率100%を切った時点、だとします。さきほどの例ですが、
【豪ドルのスワップ運用の一例】
- 豪ドル円レート:79円
- 保有量:10万通貨
- 必要証拠金:31万6000円(レバレッジ25倍)
- FX口座内資金:100万円
この状況で取引していたとしたら、豪ドル円レートが何円の時点でロスカットになるでしょうか?
- 約72.2円
この時点でロスカットになります。
ロスカットにならないためにはFX口座内資金をより多くしておく必要があるのです。
これがスワップ運用におけるロスカットリスクです。
ロスカットになればスワップ運用は終了です。
ノーポジション、ノースワップ!
資産が減っただけで、残るのはわずかな投資金と悔しさだけです。
まとめ
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これからスワップ運用をしようと思っていた方には、ちょっときつい内容になってしまいました。
しかし、これが現実です。
【スワップ運用の4つのリスク】
- スワップ運用のリスク1【政策金利】
- スワップ運用のリスク2【スワップポイント】
- スワップ運用のリスク3【為替レート】
- スワップ運用のリスク4【ロスカット】
じゃあスワップ運用はしないほうが良いのか…という結論ではありません。
スワップ運用の仕方を工夫すればスワップをためつつリスクをおさえてFX取引ができます。
詳細はこちらの記事を↓
また、スワップ運用だろうとほかのFXトレードであろうと、FX取引であることに変わりはありません。
かならずFXの基礎をマスターしてからスワップトレードを始めてください。
それでは、また。
セントラル短資FXは初心者向けです↓
取引ツールが使いやすく
とりわけメキシコペソの
スワップポイントが高いFX口座です
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[…] スワップだけで収益を狙っている人は、堀先生の「FX初心者が知らないと恐ろしいことになるスワップ運用4つのリスク」の記事を見ておいた方がいいかもしれません。 […]