2020/05/07
FXのスリッページとは? | すべる約定への対策法3つ
FX口座を選別する上でどうしても気になるのがスリッページ。
ほとんどのFX口座で許容スリッページを設定できるわけですが、それにこだわり過ぎるとFXトレードの本質を見失う可能性があるんです。
あるFX初心者の本末転倒な結末から、許容スリッページに対する正しい見方を学んでおきましょう。
この記事ではスリッページとは解説したあと、スリッページ対策を3つお伝えします。
【この記事の要点】
- スリッページとは
- 許容スリッページを設定する
- 約定力の強いFX会社を選ぶ
- カバー先の多いFX会社を利用する
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スリッページとは
スリッページとは、注文レートから乖離して約定することです。
スリップする、という意味合いから「スリッページ」と名付けられており、ブログサイトやSNSでは通称「すべる」と言われています。
たとえば、USD/JPY(ドル円)通貨ペアを取引しているとします。買いレートが【108.2498】のときにストリーミング注文で発注しましたが、実際に約定したレートは【108.2598】でした。
- 買い注文レート【108.2498】⇒買い約定レート【108.2598】
このケースでのスリッページは1銭というわけです。
仮に1万通貨取引だった場合、1銭のスリッページによる損失額は100円になります。同様のスリッページが10回起これば1,000円の損失、100回で1万円の損になりますから、スリッページを軽く見ることはできません。
許容スリッページを設定する
ならばスリッページがないFX会社を利用してFXトレードがしたいと思うところでしょう。
しかし、すべらないFX口座は皆無に等しいのです。FX業界で約定率N0.1(矢野経済研究所調べ)と言われているマネーパートナーズでさえも、スリッページはあります。
そこで大切になってくるのがスリッページ対策。
注文画面にて許容スリッページを設定することで、スリッページによる損失額を少なくするわけです。
実際の注文画面を見てみましょう。
SBIFXトレードの2WAY注文ツールになりますが、画像上での取引レートは、
- 売り:108.2471
- 買い:108.2498
(USD/JPY)
このようになっています。下の赤線の囲みにあるように、許容スリッページは0.03円(3銭)です。
要は、108.2498円で買い注文をしたとき、108.2798円まですべっても注文を約定させてかまわない、という意思表示をすることになります。
言い換えると、3銭を超えたレートでは約定しないでください、という意味なのです。
1万通貨取引で3銭すべると300円の損失です。トレーダーによっては3銭もすべっては嫌だと思うかもしれません。それなら、許容スリッページをもっと狭く設定すればOKです。
余談ですが、スリッページは有利にすべることもあります。上述した例は不利なケースでしたが、たとえば、
- 買い注文レート【108.2498】⇒買い約定レート【108.2398】
この場合、1銭有利にすべったことになります。有利なスリッページを認めていないFX会社もありますから、有利なスリッページを認めているFX口座を利用するほうがお得です。
有利なスリッページを認めているおすすめのFX会社⇒DMM FX、SBIFXトレード
スリッページの度合いを調べたFX初心者
不利なスリッページが連発すればコスト的に不利ですから、スリッページの度合いを徹底的に調べたFX初心者がいます。
その調べ方は、成行注文(またはストリーミング注文)か指値注文における注文レートと約定レートをすべて記録していくという方法です。
それで実際にどれほどスリッページが発生し、スリッページにおける損失額を算出していきました。利用FX会社にお願いしても断られたらしいので、仕方なく自分でやったとか。(そりゃ断られます)
彼はデイトレード手法で取引していたので、ほぼ毎日記録を付けたそうです。3つのFX口座で記録した結果は、
- どんぐりの背比べ
でした。そして、肝心なトレードでは大きくマイナスに…。
FX口座を研究するのは個人の自由です。コスト負担が少ないほうがお得なのは間違いありませんから。
しかし、結果云々というよりも、FXトレードの根底にある大切なことを忘れていると考えさせられました。
FXトレードの技術を磨くほうが重要
わたしに言わせると、本末転倒じゃないかと。
FXトレードはコスト負担減が目的ではなく、如何に収益率を高めるかが重要ではないでしょうか。
スリッページの程度に注目するのは決して悪いことではないのですが、トレードの目的がスリッページの研究って…。
そんな時間があるなら、トレード技術の向上と収益率を高める方法を研究したほうがより有利かと。
ちなみにわたしは収益率を上げるためにこの本を読んでFXの真髄を学びました↓
FXトレードなら1回の取引で数万円の利益獲得も夢ではありません。そのくらい利益を出せるようになれば、スリッページでの50円、100円の損失、気にならないはずです。
お断りですが、これは持論です。節約を心がけたいなら2、3か月かけてFX各社のスリッページの程度を研究しても良いと思います。
でも、私はやりません。
スリッページがひどい会社がある、ない、という噂は絶えません。しかし、FX口座を20口座以上開設している私に言わせれば、どこもどんぐりの背比べですよ。
確かにマネーパートナーズは少し秀でている感があります。また、経済指標発表のときに、スプレッドの広がり具合でFX口座の違いが出ることもあります。
しかし、“通常” の取引ではどこのFX口座でも遜色ありません。FX口座の選別では、スリッページよりももっと大切な項目を基準とすることをおすすめします。
どうしてもスリッページが気になるようでしたら、さらに2つの方法でスリッページ対策を立てましょう。
約定力の強いFX会社を選ぶ
初めに、約定力とは何かお伝えします。
約定力とは
FX取引をしているとき、このレートで買いたい(売りたい)というトレーダーの希望価格で取引できることを約定力といいます。
約定力が低いとスリッページが起きたり約定拒否が発生しますので、トレーダーはストレスを感じながらトレードすることになります。
【用語解説:スリッページ、約定拒否】
- スリッページとは、注文価格と乖離して約定することを言います。トレーダーに有利なスリッページが起こることはありますが、往々にして不利なスリッページが発生します。
- 約定拒否とは、取引したいレートで注文したものの約定しないことを指します。システム力が弱いのが主な原因で、FX会社側のシステムが約定を拒否してしまいます。
約定力が高ければ、
- 思い通りのレートでFX取引できる
- ストレスフリーのトレードができる
このようなメリットがあります。反対に約定力が低いと、
- 損失が大きくなってしまう
- ストレスを抱えながら取引しなければならない
このようなデメリットが生じますので、私たちトレーダーにとってFX会社の約定力が高いほど有利です。約定力が低いとスリッページによるコスト負担が大きくなるので、是が非でも約定力の高いFX会社で取引したいところです。
スリッページによってトレーダーが負担するコストはどれほど大きいのでしょうか? 簡単に比較してみました。
スプレッド0.3銭、0.4銭、0.5銭で1万通貨を取引するとき、スリッページの度合いによるコスト負担の比較です。
このように、スプレッドによるコスト以外にスリッページによるコスト負担が増えると、たった1回の取引でもコスト負担に違いがでてきます。
これで100回取引すると「コスト負担額×100回」が取引コストになります。極力スリッページが起きないFX口座を利用すべきなんですよね。
※FX口座によって有利なスリッページが起きるときがあります。詳細は後述します。
約定力の高いFX会社は一択
では、約定力が高いのはどのFX会社でしょうか? 比較してみました。比較するといっても、自分で比較検討する必要はありません。
というのも経済調査のプロフェッショナルがすでに検証済みですので、その調査データを見れば約定力の高いFX会社が一目瞭然です。
経済調査のプロフェッショナルとは、矢野経済研究所です。
矢野経済研究所が検証した結果、このFX会社の約定力が群を抜いていたことが証明されています。それは、
- マネーパートナーズ
です。約定率100%を誇る約定力があり、約定力の高いFX会社で取引をしたい方にはガチでおすすめのFX会社です。
マネーパートナーズ
約定力の高いFX会社ランキングでは、マネーパートナーズは断トツの1位です。2020年5月時点で、11年連続約定力No.1になっています。(矢野経済研究所実施調べ)
なぜマネーパートナーズはそこまで約定力が高いのか、それはマネパ代表の奥山氏が約定力に対する想いが非常に強いからです。マネーパートナーズHPにも、
マネパには、代表の奥山をはじめ、投資家やディーラーとして、自分で注文をだしていた経験のある人間が多数います。
「自分が買いたい、と思った価格と違う価格で勝手に買われたら嫌だよね」
「なぜ違うレートになるのかわからないと、信用できない」
そういう経験からくる、絶対的な想いで、注文を100%スリッページさせないで受けられる環境を、システム面からも、注文をうける体制からも、とても大事にしてきました。
(マネーパートナーズHP)
このような一文が掲載されています。FXトレーダーのことを第一に考え、約定力を大切に考えていることお分かりいただけると思います。
“絶対にすべらない” というマネーパートナーズ、魅力的です。
マネーパートナーズの詳細を見る⇒マネーパートナーズ公式サイト
カバー先の多いFX会社を利用する
どのFX会社にもカバー先がありますが、カバー先が多いほどスリッページが起こりにくいと言われています。
以下、FX会社のカバー先について詳しく見ていきます。
FX業者のカバーとは
FX業者のカバーはカバー取引とも言いますが、FX業者が金融各機関と取引することを指しています。(取引先に当たる金融機関を一般的に、カバー先と呼びます。)
FX業者がカバー先と提携しているのには理由があります。
まず、インターバンク市場(銀行や証券会社が取引している市場のこと)でリアルタイムで取引されている為替レートを受け取るためです。そのレートをもとに自社顧客に対し為替レートを提示します。
たとえば、インターバンク市場にてドル円レート100.000円で取引されているとします。そのときA社が顧客に提示するドル円レートは、
- 売り99.999円/買い100.002円
のようになります。
お気づきかもしれませんが、売値と買値に0.3銭の差があり、これがスプレッドに当たります。スプレッドがあることで、FX各社はトレーダーから実質上の取引手数料を徴収しているわけです。
FX業者がカバー先と提携している別の理由ですが、FX業者は顧客の注文に基づいてカバー先に為替売買注文を行います。基本的にはマリー取引で注文を相殺しますが、相殺できなかった分は穴埋めのためにカバー取引を行うと考えてください。
参考記事↓
以上2つの理由により、どのFX会社も必ずどこかの金融機関をカバー先としてカバー取引を行っています。
カバー先はFXトレーダーの取引コストに影響する
実は、利用するFX会社のカバー先提携数はFXトレーダーの取引コストに影響するのです。
もう一度、FX業者がカバー先からレート提示される流れをイメージしてください。
カバー先A⇒ドル円レート100.000円
↓↓
FX会社XYZ⇒ドル円買値100.003円
カバー先Aから提示されたドル円レートが100.000円だったとします。そこに+αを乗せて顧客に提示することで、FX会社XYZは0.3銭の手数料を獲得できます。
しかし、カバー先が1社だけでなく、3社だったらいかがでしょうか? 場合によってはより有利な為替レートを受け取ることができるかもしれません。
- カバー先A⇒ドル円レート100.000円
- カバー先B⇒ドル円レート100.001円
- カバー先C⇒ドル円レート99.999円
カバー先3社からこのようにレート提示された場合、99.999円を選択しスプレッド分を上乗せすれば、自社顧客により有利なレートを提示できる機会を得ることになります。
“提示できる機会” と言ったのは、受け取った為替レートにどれほどの+αを上乗せするかは、FX各社が任意で決定できるからです。
顧客主義ならば他社よりもさらに有利なレート提示を行うかもしれませんし、逆に、有利な為替レートを受け取っても+αを多めに乗せて自社利益主義に走ることも可能です。
それはトレーダーには見えない部分なので、あくまでも利用するFX会社を信頼するしかありません。
いずれにしろカバー先が多ければ、スプレッドを含めて有利な為替レートを提示できる機会が増えるので、その分FXトレーダーの取引コストに影響が出るというわけです。
平たく言えば、提携カバー先が多いほうが有利になります。
カバー先が違うFX各社の提示レートは微妙に違う
提携するカバー先の数やカバー先の違いによって、受け取る為替レートに違いがでるのは本当でしょうか?
本当だと思います。なぜなら、同じ通貨ペアでもFX会社によって提示レートが微妙に異なるからです。
それは為替チャートを見れば一目瞭然です。試しにFX会社を無作為に選んで、為替チャートを見比べてみてください。
私も執筆時点のドル円チャートを比較してみました。比較したのは、外為どっとコムのドル円チャート(1分足)とみんなのFXのそれです。
まずは外為どっとコムのドル円チャートを。(iPhoneアプリです)
次にみんなのFXです。(同じくiPhoneアプリ)
ドル円1分足の方向性は同じですが、ローソク足を一つずつ見てみると、微妙に違うことがお分かりいただけると思います。
同じドル円1分足チャートでなぜ違いがあるのか? それはカバー先が違いますし、カバー先から受け取ったドル円レートに上乗せする+αも違うからです。
「+α」の部分はFX会社を信頼するしかありません。しかし、カバー先の提携数は私たちも確認できますから、可能な限り提携数が多いFX会社を利用するほうが良いでしょう。
とりわけデイトレードやスキャルピングなどの短期売買の場合は取引回数が多く、取引コストの負担が大きくなりますので、利用するFX会社のカバー先とその提携数に注目することが重要になります。
カバー先の多いおすすめFX会社
提携カバー先が多いのはどのFX会社なのか、最後にお伝えします。
カバー先の多いおすすめのFX会社は以下の通りです。
セントラル短資FX(23社)
セントラル短資FXは提携数23社とカバー先が多いFX会社です。(2020年時点のデータ)
- 株式会社みずほ銀行
- 株式会社三井住友銀行
- 株式会社三菱UFJ銀行
- ノムラ・インターナショナルPLC
- Australia and New Zealand Banking Group Limited
- バンク・オブ・アメリカ・エヌ・エイ
- バークレイズ銀行
- ビー・エヌ・ピー パリバ
- シティバンク、エヌ・エイ
- スタンダードチャータードバンク
- COMMERZBANK AG
- クレディ・スイス銀行
- ドイツ銀行
- 香港上海銀行
- JPモルガン・チェース銀行
- ロイヤル・バンク・オブ・カナダ
- ナットウエスト・マーケッツ・ピーエルシー
- ソシエテジェネラル銀行 (銀行業:AMF[フランス金融市場庁])
- ステート・ストリート銀行
- UBS銀行 (銀行業:FINMA[連邦金融市場監督機構](スイス))
- ゴールドマン・サックス・インターナショナル
- モルガン・スタンレー・アンド・カンパニー・インターナショナル・ピーエルシー
- SBIリクイディティ・マーケット株式会社
セントラル短資FXの口座開設はこちらから↓↓
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もちろん無料です^^
ヒロセ通商(23社)
ヒロセ通商はセントラル短資FXと同じく、23社の提携数です。(2020年時点のデータ)
- OCBC証券
- サクソ銀行
- UBS銀行
- バークレイズ銀行
- ドイツ銀行
- シティバンク、エヌ・エイ
- ノムラ・インターナショナルPLC
- クレディ・スイス銀行
- セントラル短資FX株式会社
- コメルツ銀行
- モルガン・スタンレー・アンド・カンパニー・インターナショナル・PLC
- ゴールドマン・サックス・インターナショナル
- 香港上海銀行
- ワイジェイFX株式会社
- JPモルガン・チェース銀行
- ビー・エヌ・ピー・パリバ銀行
- バンク・オブ・アメリカ・エヌ・エイ
- 株式会社三菱UFJ銀行
- ナットウエスト・マーケッツ・ピーエルシー
- オーストラリア・アンド・ニュージーランド・バンキング・グループ・リミテッド
- ステート・ストリート銀行
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- スタンダードチャータード銀行
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さいごに
スリッページが少ないほうが有利なのは間違いありません。
コスト面だけでなく、スリッページが少ないほうがストレスフリーでトレードできます。
極力スリッページが少ないFX口座でトレードするようにしましょう。
それでは、また。