2020/05/01
朝方に為替相場が急落しやすい3つの理由とその対策とは | FX初心者
外国為替レートが急落! というニュースを時々見聞きしますが、朝方に為替相場が急落することが多いと感じている方が少なくないようです。
確かに、朝方に為替レートが急落することが多いようです。その3つの理由と対策についてお伝えします。今後のFX取引の参考にしてください。
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朝方に為替相場が急落しやすい3つの理由とその対策とは
朝方に為替相場が急落しやすいと言われる3つの理由はこちらです。
- 流動性が低い
- ロスカットの連鎖
- 投機筋の仕掛け
まずはこれら理由について見ていきましょう。
流動性が低い
朝方に為替レートが下落しやすい理由の一つは、流動性が低いからです。流動性が低い、つまり世界の為替市場における取引量が非常に少ないということです。
FXの舞台となる為替市場は、主に3大市場からなっています。
- 東京市場:朝9時~午後5時
- ロンドン市場:午後4時~夜12時
- NY市場:夜10時~朝6時
(オープン時間はすべて日本時間)
3大市場のオープン時間は世界各国の取引者が為替取引に参加しますので、取引量が多く流動性が保たれます。
お気づきになったかもしれませんが、3大市場のオープン時間を重ね合わせると、どの市場でも取引されていない時間帯があります。
それは、日本時間の朝6時~9時です。
オセアニア地域の(ニュージーランドやオーストラリア)市場は動いていますが、市場規模はそれほど大きくないため、流動性は一定の範囲内となっています。
ですから、NY市場がクローズする頃から朝9時前までの時間帯の流動性が低下し、為替変動が起きやすくなるのです。
流動性が低いときに大量の注文がでると、需要と供給のバランスが崩れてレートが飛んでしまいます。
逆に、流動性が高いと、為替レートは比較的安定しているので、FXトレードもしやすいと思います。
一例を挙げてみます。
2018年5月に起きたトルコリラ急落は、日本時間の朝7時~8時頃の時間帯に起きたものでした。
トルコリラ円が急落したときのチャート画面ですが、急落したのは朝7時過ぎでした。
流動性が低いため、相場が変動しやすい時間帯だったというのが急落の主な理由の一つだったと考えられています。
ロスカットの連鎖
流動性がひくいときにレートが飛ぶと何が起きるかというと、ロスカットの連鎖です。
為替取引に参加している多くの人は、一定ラインを越えてしまった場合に備えて逆指値注文をしています。また、想像以上にレートが下落すると、強制ロスカットが発動されます。
逆指値注文と強制ロスカットが連鎖して起こり、大規模な通貨下落が起こるのです。
ときどき「売りが売りを呼ぶ」と言いますが、ロスカットの連鎖のことを指しています。
ロスカットによって売り注文が執行され、その売り注文が他のロスカットを誘発するというわけです。
投機筋の仕掛け
流動性が低いときにロスカットの連鎖が起きるとします。その時、仮に売り注文を発注したら相当利益を得られるはずですよね。
それを狙った投機筋が故意に大量の売りを仕掛け、ロスカットを誘発し、利益を獲得しようとする動きがあります。
実際に、これまでの為替市場では幾度となく投機筋による売り仕掛けが行われてきました。
(投機筋とは:レート変動による利益獲得を狙う投資家の総称。スピキュレーターとも言う)
投機筋の仕掛けはたいてい朝方が多いようです。やはり流動性が低いほうが仕掛けやすい(利益を獲得しやすい)のでしょう。
為替急落への対策
朝方に為替相場が急落しやすい傾向にありますが、根本的な対策は一つだと見ています。
- 為替レートが0円付近に急落してもロスカットされないように、FX口座内に有効資金を入金しておくこと
たった一つの対策法で急落に難なく対処できるのです。
朝方の通貨急落は、主にマイナー通貨が狙われやすい傾向にあります。南アフリカランドやトルコリラなどのマイナー通貨は、もともと流動性が低く、しかも投資家のほとんどはロングポジションです。
一旦ロスカットが誘発されると、相当な通貨下落を “期待” できるからです。
では、現在の各通貨レートに応じて、FX口座にはどれほどの資金を入れておくのが良いのでしょうか? 例を挙げてみます。
たとえば、南アフリカランドレート8.5円のとき、ポジション10万通貨、レバレッジ25倍で取引した場合、必要な証拠金は約21万円です。
仮にレートが0.5円になってもロスカットされないようにするには、FX口座には+80万円の資金を入れておく必要があります。(ロスカット執行が証拠金維持率100%を切ったときとする)
- 必要証拠金約21万円+リスク対策資金80万円=合計101万円
101万円の資金があれば通貨急落に対処できるでしょう。
FX口座内資金を管理しロスカットレートを低く保つことを、資金管理する、といいます。
朝方の為替急落だけでなく、いつでも起こり得る急落に備えて、しっかり資金管理しておきましょう。
証拠金維持率や実効レバレッジに関してはこちらの記事をごらんください↓
朝方に為替相場が急落しやすい3つの理由とその対策 まとめ
朝方に為替相場が急落しやすい主な理由は、
- 流動性が低い
- ロスカットの連鎖
- 投機筋の仕掛け
この3つでした。
しかし、為替レートが0円付近に急落してもロスカットされないように、FX口座内に有効資金を入金するという資金管理法で十分対処可能です。
FX取引資金には十二分に余裕を持たせてトレードすることにしましょう。